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電子カルテアンケート

電子カルテ商品の「ランキング」や、「導入にあたってのホンネ」「使用中のカルテに関する不満点」についてアンケート結果とともに読み解いていきます。

第13回 【開業医286人に聞いた】コロナ禍で注目のICTツール意識調査(後編)

2021年03月17日

 この連載では日経メディカル Onlineの開業医を対象に実施した「電子カルテ関するアンケート」をもとに、「電子カルテの導入率やメーカー別シェア」、「導入にあたってのホンネ」「使用中の不満点」など、電子カルテの導入にまつわるさまざまな情報をお伝えしていきます。第12回に引き続き、今回もコロナ禍で注目のICTツール意識調査をお伝えします。

予約システムの普及率と導入意識分析

 予約システムの導入予定を問う質問で、「既に導入している」と回答した人は14.3%、「導入しようと思っている」「制度や補助金などの状況を見て導入を検討したい」という人を含めると、42.3%の人が前向きでした(グラフ1参照)。
 「今のところ導入する予定はない」と回答した人が過半数ではあるものの、今回調査の3つのツールの中では、最も前向きな回答が多い結果となりました。

 年代別と開業年数別の集計では、40代と50代、また開業5年未満~10年までの開業年度で導入率が20%を超え、40代と開業5年未満~10年までの開業年度で前向きな回答が過半数となり60%を超えました(グラフ2、3参照)。逆に、60代以上の年代と、開業11年以上の人で「導入する予定がない」が60%を超えました。また、「導入しようと思っている」と回答した人の比率は、30代が20%と一番高い結果となりました。
 開業間もない若い世代が導入に前向きな一方、開業後10年以上になるとおそらく患者さんの数や「密」の調整の仕方も分かってくるため、あえて導入を検討しないのかもしれません。

WEB問診とオンライン診療の普及率と導入意識分析

 前向きな回答が4割を超えた予約システムに対し、WEB問診とオンライン診療の導入予定を聞く質問に対する回答は、ほぼ同じ傾向を示しました(グラフ4、5参照)。
 導入率は2~3%、「導入しようと思っている」と「制度や補助金次第」という前向きな回答を加えても33%程度という結果になりました。

 WEB問診は上述の通り、待合室の混雑を緩和し、マーケティングにも利用できるツールではありますが、予約システムである程度は代替できたり、製品によっては細かなカスタマイズは得意ではないこともあり、まだまだ紙の問診票の方が使い勝手が良いのかもしれません。また、それ単体では収益を生むわけではないので、費用対効果が導入の足かせになっていきます。
 オンライン診療に関しても、厚労省のデータではオンライン診療利用料の届出をしている医療機関数は1万5000 ~2万件あると言われますが、その数には電話利用の医療機関も含まれるため、実際にツールを入れて対応されている医療機関様は、意外に少ない可能性があります。現在、コロナ禍により時限措置として初診から全疾患で適用になっていますが、導入にある程度のコストがかかるものの、再診料73点、外来管理加算52点などが算定できなくなるため、来院してもらうより収益は下がります。コロナ以降の運用も考えると、まだまだ導入に不安が残るのかもしれません。この点に関しても今後の診療報酬改定に注目です。

(参考)オンライン診療利用料届出数に関する記事

 年代別、開業年数別に集計してみても、オンライン診療とWEB問診に関しては同様の傾向を示していました(グラフ6~9参照)。「導入している」と回答した人の比率は40代と開業年数5年未満の医療機関で最も高く、これから「導入しようと思っている」のは30代が多いです。「制度や補助金次第」という層は各年代、開業年数とも20~30%を占めるものの、若い方ほどその前向きな傾向が見られました。また、「今のところ導入する予定がない」は、40代以外と開業年数11年目以上は6割以上となりました。

導入に否定的な方の自由記述意見

 導入に否定的な方にその理由を伺った自由記述の質問に対しては、3ツール共通意見として、「患者には高齢者が多いので使いこなせない」という意見や、「スタッフが使いこなせない」という意見、そして「必要性が無い」という意見などが寄せられました。
 また、オンライン診療やWEB問診に関しては、「直接対面して診察、問診することで得られる情報がある」という意見や、「診療報酬が低い(無い)ので費用対効果が…」という意見、予約システムに関しては「予約患者と飛び込み患者の順番管理が煩雑」という意見や、「患者ごとに診療時間が異なるので、ズレが生じた際に調整が大変」という意見が個別に寄せられました。

まとめ

 現在、コロナ禍で注目を集めるICTツールを見てきましたが、経営者でもある開業医の皆様は厳しい目で吟味され、すぐに飛びつくのではなく制度とアフターコロナ時代のクリニック経営を見極めながら、検討されている姿が確認できました。
 ただ、業務効率化や他のクリニックとの差別化、細かな分析やマーケティングのためにICTツールは必要不可欠であり、若い世代には着実に根付いていることも大きな発見でした。
 日経メディカル開業サポートでは、今後も制度の改定や補助金の動きを注視しながら、各種ICTツールの普及率などを分析していきます。

クリニックのICTを進める注目のツールはこちら
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※実際の質問:
●新型コロナウイルス感染症の予防にオンライン診療や予約システム、WEB問診システム等のICTは有効だと思いますか? 下記選択肢よりあてはまるものを、1つお選び下さい。

  1. 思う
  2. 思わない
  3. 分からない

●前問でそう思った理由をお答えください。


●今後、オンライン診療ツールを導入する予定はありますか? 下記選択肢よりあてはまるものを、1つお選び下さい(オンライン診療ツールとは、対面ではなくテレビ電話等を利用し診療を行うことを補助するツールのことで、有料の製品の他、LINE等を使って独自で構築したツールも含めてお答えください)。

  1. 既に導入している
  2. 導入しようと思っている
  3. 制度や補助金等の状況を見て導入を検討したい
  4. 今のところ導入する予定はない

●前問でオンライン診療ツールを「今のところ導入する予定はない」とご回答された方にお伺いします。その理由は何でしょうか? 下記にご自由にご記載下さい。
※それ以外の選択肢を選ばれた方は「なし」とご記入ください。
(例:診療報酬点数が低い、高齢な患者が多く使いこなせない、対面しないと診断が難しい)

●今後、予約システムを導入する予定はありますか? 下記選択肢よりあてはまるものを、1つお選び下さい(予約システムとは、患者さんがWEB上で時間予約・時間帯予約・順番予約ができるシステムを指し、電話での予約受付は含めずお考えください)。

  1. 既に導入している
  2. 導入しようと思っている
  3. 制度や補助金等の状況を見て導入を検討したい
  4. 今のところ導入する予定はない

●前問で予約システムを「今のところ導入する予定はない」とご回答された方にお伺いします。その理由は何ですか? 下記にご自由にご記載下さい。
※それ以外の選択肢を選ばれた方は「なし」とご記入ください


●今後、WEB問診システムを導入する予定はありますか? 下記選択肢よりあてはまるものを、1つお選び下さい(WEB問診システムとは、WEB上で問診内容を入力できるシステムのことを指し、問診票のダウンロード等は含めずお考えください)。

  1. 既に導入している
  2. 導入しようと思っている
  3. 制度や補助金等の状況を見て導入を検討したい
  4. 今のところ導入する予定はない

●前問でWEB問診システムを「今のところ導入する予定はない」とご回答された方にお伺いします。その理由は何でしょうか? 下記にご自由にご記載下さい。
※それ以外の選択肢を選ばれた方は「なし」とご記入ください。


「電子カルテ導入に関するアンケート」(日経メディカル Onlineの登録医師会員を対象に2020年12月1日から2021年1月28日までの約2カ月間実施。 平均年齢58.8歳、平均開業経過年数16.2年の開業医286人による回答を集計)