開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第73回 励ましてくれた先輩開業医

2019/01/11 目黒 瞳
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 バイト先の眼科は、コンタクトレンズの処方や手術もしているので、患者数が非常に多いところです。が、やはり開院当初は一般患者さん(コンタクトレンズ処方以外の患者さん)が増えず苦労したそうです。
 バイト先の院長は、時々お昼をおごってくれて、いろんな話をしてくれます。
「オレもさあ、開業した当時は、近くの眼科が気になってのぞきに行ったよ」
「昼休みに外に出れば、杖ついているじいさんがいてさ、『私はそこで眼科をやっているんですが、眼科はどこにおかかりですか?』って思わず聞いたら、『わしゃ、○○大学病院じゃ!』って、うさんくさそうに見られてさあ。近くの商店街にはあんなにジジババいるのに、どうしてうちには来ないんだろうって思ったよ」

 「開院日に『さかさまつげがある』と来てくれた患者さんのまつげを抜いて嬉しく思ったことを忘れないでおこうと思うんだよねえ。だーいじょうぶだよ。患者さん増えるって。急には増えないのがこの商売だし、来る患者さんは、みんな喜んでいるんだろ? 口コミで広がるって。それに目黒さんの体さえ元気なら、うちの診療所に来てくれていればいいんだし」

 うーん。この状況からは早く抜けたいんだけどな…と思いましたが、振り返ってみると、結局一番励まされたのはこの先輩開業医の言葉だったのです。

 そんなわけで、私が失敗したり、悩んだりした生の話が、これから開業するドクターたちへ応援となればいいなというのが、この連載を書いている動機です。きっと誰でも通る道、でも通った人はもうどんな道だったか忘れている道ではないかと思うのです。

開業後の現在から「この時」を振り返って

そして10年後の私もこの連載を読み直して「そうだったのか~」と励まされています。いやー、良い連載でしたね(自画自賛)。

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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。