開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第68回 ストーカーっぽい男性患者

2019/01/11 目黒 瞳
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 薬がなくなったわけでもないし、具合が悪いわけでもないのに、たびたび受診される男性患者さん。毎回、長々とお話されていきます。
 ある日、ホームページにある私の顔写真をコピーして、周りに星やハートマークをちりばめたカードを作ってきました。私の家族の知り合いだというので、こちらから名刺をお渡ししたら「私は独身で結婚相手を探しています」というメールが来ました。そのうち「目黒先生は、仕事はしっかり、患者に優しく、おっとり構えていて、家では料理や掃除も完璧ですよね」とほめたたえる内容のメールが頻繁に来るようになり…。本当に困りました。

 外来時に話しているだけなのに、なぜそこまで妄想が広がる??と疑問に思うのですが、白衣を着ていると男女問わず理想の姿に見えてしまうことがあるようです。
 私の家族と昔から親しいような口ぶりでしたが、実はそうではなく、知り合いの知り合いと判明。来院するたびに、スタッフには私と個人的にお付き合いをしているような話をしていたそうで、スタッフはずっと私の彼氏だと思っていたようです。でも、ほかの患者さんが帰るまでずっと私を待っていたり、明らかにおかしい行動をとっていたので、変だなと気づいてくれました。

 ところが、私の家族は独身の私を社会的に適応していないと思っているので大喜び。こういう話って、「モテることの自慢話」になっちゃうので、なかなか真剣に取りあってくれないんですよね。水商売のホステスさんのように、気があるふりをしてお金を使わせるなんていう高等技術があればなあ…などと思ったりして。実は、まだ来院が続いているのです。

 以上の内容は複数の方の話をアレンジしてあります。つまり、複数の方に困っているのです…。患者さんとの距離の取り方って本当に難しい…。

開業後の現在から「この時」を振り返って

私はどうも写真うつりが良いらしく、どうしても美人の写真になってしまうのですが、最近は「ホームページに載せてある写真が実物とちがいすぎる。そういうことをやる人は医者として信用できない。」というクレームがあり、ストーカーまがいの人が来ていた10年前と状況がちがうのは私が年を取ったせいかしら、と思ってます。

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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。