開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第58回 とっても待つ診療所?

2018/11/30 目黒 瞳
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 商店街の世話好きのTさんが「チラシができたらくださいね」と言うので、新聞折り込み用に刷ったチラシを渡しました。すると、雨に濡れても大丈夫なようにビニールでカバーをかけてポスターのようにしてくれ、商店街のいたるところに貼ってくれました。

 「まずいんじゃないのかなあ…」と思いつつ、「朝市 卵8個で80円!」というポスターの裏側に貼ってある自分の顔写真入りチラシを複雑な気持ちで眺めていました。住宅街のかなり奥まったところの自動販売機にまで貼ってあって、びっくりしたものもありました。

 Tさんのこの配慮が功を奏したかというと…。開院日には商店街の人たちがたくさん押し掛けてくれたのですが、以降はそれっきり。どうも、開院日に受診するのがご祝儀という認識のようです。

 一方、開院日の混雑ぶりを見た近隣の人はびびってしまって、なかなか受診してくれません(その後に受診した方たちと話していて分かったのですが)。さらに、Tさんはうちを紹介するとき、「人気がある眼科だから、とっても待ちますよ!」と誇らしげに話しているようなのです。これは困った…。

 町中にいい評判が広がるのをゆっくりと待つしかないですねえ。

開業後の現在から「この時」を振り返って

このTさんのその後ですが、素人のコンサート(というか発表会ですね。)の広告にお金を出してほしいと言ってきたり、ここにくれば絶対に口座を開いてくれるよ、と信用金庫のスタッフを送りこんできたり、と、ちょっと困っています。「オレの息がかかった眼科だから」と言ってるそうですが、それはちがう…。

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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。