開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第56回 初めての給料

2018/11/30 目黒 瞳
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 常勤スタッフが1人しかいないので、給料の計算は大変ではありません。社会保険労務士の方に教えてもらった給与台帳への記載も、まだ“ままごと”のような感覚なのですが、スタッフに給与明細を渡すときは、なんだか嬉しかったです。

 スタッフがくれた一言が、
 「催促しなくても、お給料日にちゃんともらえるなんて、うれしいです」

 急ぎの場合はリモート操作してくれるし、覚えておいた方がいい操作は直接教えてくれるか、やり方をファクスしてくれます。入力項目の不足、セットミスはありましたが、その後の対応には今のところ満足しています。

 えっ、今までどんなところで働いていたの? これが普通なんですけど。この子、以前の職場では健康保険料も自分で払っていたらしいです。

 派遣で来てもらっているスタッフは医療事務の講習だけ受けて、実際に勤務するのは初めてなのですが、「受付時間の終了直後に来た患者さんは全員断るのでしょうか? それとも、受付はしてしまっていいでしょうか? 何かマニュアルがあれば、それに従って対応しますが」と聞かれました。

 うーん、これをはっきりと説明するのは難しい。「基本的には断れない」と教えて、迷ったら私を呼ぶように説明しました。知識の上に経験が重なっていって、一人前のスタッフになっていくんだなあと、まだまだぎごちない受付対応を見ていて、しみじみ思います。

 1日の終わりには電子カルテで日報を作成し、現金とレジに打った内容が合っているかを確認していますが、この受付の子によると、「内科クリニックの受付をやっている友達がいるんですが、そこでは現金が少ないと真剣にチェックしますが、多いと『ラッキー』で終わってしまうそうです」。

 それはまずいでしょう…。「間違っていたら、その時点で処理しなきゃダメ。だけど、それがスタッフを責める理由にはならないから」と説明しました。

開業後の現在から「この時」を振り返って

年に数回レジ現金が多かったり少なかったりすることがありますが、多い場合のほうが問題と考え、どの患者さんにお金を少なく渡してしまったのかを日報とレジジャーナルを突き合わせてチェックしています。それでもわからないときはあるのですが。

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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。