開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第49回 開院日!

2018/11/09 目黒 瞳
Facebookでシェア ツイート

 いよいよ開院の日。スタッフも私も落ち着かず、早々と出勤してしまいました。「誰も来ないのでは? 良くて10人くらい?」とドキドキしていたのですが、ふたを開けてみると、地元商店街の方が次々と来てくださいました。結局、初日の受診は20人以上。かなり大変な日となりました。

 開院日にほとんど受診がないクリニックもあるそうで、家族や業者がサクラとなることも多いと聞いていたので、とてもうれしかったです。

 「ご祝儀受診」と私は呼んでいましたが、ご挨拶を兼ねての受診なので、検査は意識的に行わず、主にお話を聞くという外来でした。当然ながら全員が初診なので、受付と会計は大変だったようです。

 開院前に電子カルテの業者さんに頼んでおいた「よく使う病名」や「よく出る処方」の入力が実は終わっていないことが当日に判明し、ちょっとばたばたしました。もっとも、業者さんがぴったりとついてくれていたので、何とかなりましたが。

 初日の窓口収入2万5100円を口座に入れて、なんだか誇らしい気持ちに(大した金額じゃないことは分かっていますが)。その後は近所の居酒屋に、これまた挨拶を兼ねて皆で行ったのでした。

 外来中に父が様子を見に来たらしいのですが、待合室に患者さんがいるのを確認して、そのまま黙って帰っていったそうです。後で母に聞いたところ、寝るまでずっと「ちゃんと患者さんがいたよー」とうれしそうに繰り返していたそうです。

 ちょっと、ほろり。

開業後の現在から「この時」を振り返って

開業日のことはよく覚えていますし、忘れないと思います。この日に受診した人は今でも来ているかなあ、と調べてみたところ、7名がその後も受診していて、数年通院されるうちに白内障手術を受けた、という人が多く、10年の月日の流れを感じました。


窓口業務の効率化にも便利!電子カルテはこちらから検索
内覧会含め開業時の集患・増患対策はこちら

連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。