開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第48回 内覧会はいつ開く?

2018/10/19 目黒 瞳
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 開業前にクリニックを見てもらうという「内覧会」は最近ではごく普通のことになりました。内覧会のお知らせの折り込み広告を新聞に入れるのはほぼ唯一の広域宣伝の機会。地域の特性を考えて、行う時期を決めるのがよいでしょう。

 お世話になったドクターたちに来てもらうためにと、日曜に内覧会を行うクリニックが多いようです。ただ、日曜休診なのに日曜に行っても、本来外来に来てくれそうな近所の方たちの流れに逆らうような気がします。なので私は平日、診療時間と同じ時間に開くことにしました。

 同業者からは「お祝いを兼ねて見に行きたかったのに、平日じゃ無理だよ」と結構文句を言われましたが、内覧会は本来、患者さんへの宣伝の場です。近くに敬老会の集まりを行う施設があり、そこの帰りの高齢者たちが続々と来てくださり、これは当たりでした(どうも、大家さんが声をかけてくれたようだと後で分かりましたが)。

 この辺りは老人が多いと聞いていたのですが、開業準備中、そして内覧会に現れた彼ら彼女たちを目の前にし、高齢化を改めて実感しました。シルバーカーを押してクリニックの前を通る高齢者がいると、スタッフが呼び込みまでして内覧会に案内しました。お茶を出しながらうわさ話を聞いていると、辞めてしまったH先生が非常に慕われていたことが分かりました。

 近くで最近開業されたライバルのドクターがどういう診療をしているかの様子もうかがえ、非常に参考になりました。小学校までは地元に通ったことをチラシなどに記載しておいたら、「じゃあ、○○さんのところの××ちゃんと同級生?」というような会話にしばしば発展します。

 若い患者さんたちはホームページで情報収集しているようなので、内覧会に来られなくても電話で問い合わせがありました。仕事をしている彼らに合わせて日曜に行う必要はなかったようです。

開業後の現在から「この時」を振り返って

折り込み広告やポスティングするチラシは、法律的にはいつ行っても良いようなのですが、まあ常識的に開業時のほかは子どもに代替わりしたときや改装したとき、診療時間が変わったときにくらいしか行わないようですね。
この手の広告はすぐに患者さんが増えるというより、取っておいて何かのときに受診しようと思う方も多いため、なかなか効果のほどがつかめません。開業数年後に開院時のチラシを見て来ようと思っていた、と言われたことが何度もあります。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。