開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第47回 医師会不要論

2018/10/19 目黒 瞳
Facebookでシェア ツイート

 開業するということで医師会に入ることに。眼科専門医の規定には「眼科医会に所属すること」とあり、そして眼科医会の規定には「開業医は医師会に入らなければならない」とあるからです。もっとも、医師会に入っていない眼科の開業医も実際いますが、専門医を剥奪されたという話は聞いたことがありません。

 医師会に昔のような力はありませんので、「入ってもしょうがないかなあ」という感じはあります。医師会員も眼科専門医も国家資格ではないし、メリットは見当たりませんからねえ。

 医師会に入らない場合、医師国保に入れないという難点はあります。しかしこれも、医師会費を払って医師国保に入るか、医師会に入らずに通常の国保に入るのとどちらが得かというと、微妙なところかもしれません。5人以上雇っているなら社会保険と厚生年金になるのが原則です。なお、医療法人に勤務していると医師国保には原則入れないのですが、個人開業から医療法人に移行したときに適用除外手続きをすれば継続することは可能です。

 逆に、医師会に入れば会費以外にも、様々な雑用が回ってきます。時に納得いかない、時間だけは取られる仕事もあり、若いドクターたちはこれがイヤで入会しなくなりつつあるのが実情です。私はまあ波風立てないでおこうかなあと思っていますが…。

 医師会に入るつもりなら、診療が始まるまでに入っておくことに注意すべき。医師会費には医賠責の保険料も含まれるからです。医師国保も医師会に入ってからでないと入れません。

 しかし医師会に入れるのは、診療所の開設届けが保健所に受理されてから。開設届けの後に急いで手続きをする必要があります。医師会は通常、地区の承認を得ないと入れないシステムを取っています。地区医師会の理事会は月に2回くらいの開催なので、時期を逃すと入会が遅れてしまいます。

 医師会の事務員はとてものんびりしていることも要注意。こちらから動かないと間に合うものも間に合わなくなります。

開業後の現在から「この時」を振り返って

最近は医師会に入らずに開業する人も増えているそうです。ただ内科と小児科は予防接種などもあり、入っていたほうが良いと言われています。医師会自体が内科の先生主体の会ですので、そういうことでしょう。美容などの自費診療だけの場合には、まったく入る必要ないそうです。


医師会への入会は必要?不要?
何でも相談できる開業コンサルはこちら

連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。