開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第43回 電子カルテか、レセコンか?

2018/10/19 目黒 瞳
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 開業を考えたら、1回は足を運ぶであろう場所がメディプラザ(10年前当時の関東圏の開業希望医師はそうでした。現在関東は閉鎖され、福岡のみで展示をしているようです。)。電子カルテを中心として医療機関向けのIT機器を展示しているのですが、ただ行ってもしょうがありません。どんな診療体制にしたいのかをはっきり分かっていないと、物見遊山で終わってしまいます。

 アンケートに答えると、それに基づいて展示場のスタッフの方もいくつかの提案をしてくれます。別の日になってしまいますが、メーカーの方も個別に説明してくれます。押し売りのようなことをされるのでは? と思っているドクターもいるようですが、決してそんなことはありません。常設のデモをしてもらうのに格好の場所と考えればいいと思います。私は結局、ここでデモしてもらったメーカーとは全然違うところの電子カルテにしました。

 これから開業されるドクターの中には、「電子カルテが万能」と思っている人は少ないでしょう。でも、まだまだメーカーの方は「これができます。あれもできます…」と、いいことしか言いませんので、差し引いて聞くように注意する必要はありますね。

 まず考えるのは、レセコンのみにするか、電子カルテ込みにするか。電子カルテの基本構造はレセコンなので、レセコンにできないことができるのが電子カルテと思えば、大方間違いないでしょう。両者の値段はかなり近くなっています。

 「ペーパーレスが電子カルテ」と思っている人も多いのですが、大きな違いは「電子カルテでは記録の保存と検索ができる」ことだと私は思います。レセコンは一定期間が過ぎるとデータを破棄するし、病名や処置、処方薬から患者を検索することなどはできないのです。この点から私は電子カルテにしました。

 また、スタッフが少なく、入力のほとんどはドクターが診察室で行うというスタイルも、電子カルテなら取りやすいでしょう。いわゆる「台つき」と呼ばれるスタッフが、行った検査をすべてチェックしてくれて、入力は受付でというくらいにスタッフ数が充実していれば、レセコンで十分です。

 いずれにしても、開業してから電算処理のスタイルを変更すると、スタッフからすごく抵抗されます。ぜひとも、開業前に決めておくべきことの1つです。

開業後の現在から「この時」を振り返って

眼科は医療機器とのつながりでニデックの電子カルテを入れるところが多いようです。使い勝手などは見学もよいのですが、可能であればそこのクリニックでバイトをしてみると得られる情報が多くなると思います。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。