開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第37回 挨拶はケチるな!

2018/10/05 目黒 瞳
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 ご近所への挨拶は、開業の直前に内覧会の案内を兼ねて回ればいいかなあと思っていたのですが、「建物の工事の際に結構近隣から苦情があったみたい」という気になるうわさを、この物件を紹介してくれた方から聞きました。

 私のところは建物の建築とは関係なく、内装工事では音があまり出ないので、うらみは買ってないと思います。ですが、車の出入りもあることだし、ご近所の方にしてみれば、どんな業種が来るのかは興味津々だろうから、両隣に菓子折を持って行きました。挨拶は多すぎて失礼になることはないでしょうし。

 困ったのが名刺です。新クリニックの名称はまだ仮のものですし、電話番号も決まっていないので、名刺は作れません。だけど、名刺がないと「あんた、誰?」状態になってしまうので、旧職場の名刺でご挨拶しました。そこは医療法人立だったので、その法人がもう一軒出店すると誤解されたかもしれません。

 内装の設計をしてくれたTgさんも同行してくれて、「工事の際にトラブルがあったら会社にお電話ください」という挨拶状も作ってくれていました。どうも話を聞くと、院長がこういう挨拶に出向かずに、設計士だけが伺うことも多いそうですが、一度は顔を合わせておいた方が、トラブルになったときも解決しやすいですよね。

 でも、水漏れトラブルの際に知らないおじさんにお風呂を沸かされた、上のお部屋の人には全然会えませんでした。菓子折は日持ちするものを選んでデパートでまとめ買いしましたが、何度か買い直す羽目に…。

 近所で買ってもよかったのですが、1カ所で買うと「あそこで買っているのに、うちには来ない」などともめそうな感じがして…。逆に、大学病院への挨拶のときは近所で購入し、領収書を書いてもらう際にお店の方に挨拶していました。そして、内覧会の直前には、近隣の方にまた違う菓子折を持って行きました。

 挨拶にはお金をケチらずに遣いましたが、それ以上にいろいろと気をつかいます。

開業後の現在から「この時」を振り返って

開業した後輩たちを見ていると、仮の名刺作ってましたね。これは良い考え。そして何かを郵送する際に差出人を記入するのを忘れないように。私は開院案内を郵送するときにハンコも印刷された封筒もなかったため、うっかり差出人無記入で出してしまったら、「誰からの手紙かわからず怖くて開封するのをためらった。」と言われました。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。