開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第36回 申請は計画的に

2018/09/21 目黒 瞳
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 診療所の開業で避けては通れないのが、保健所と社会保険事務所への申請です。

 まずは設計図を固める段階で保健所に行きます。内装で最もうるさく言われるのが、区画が異なる部分の仕切り(ドア)です。待合室、診察室、検査室、バックヤードの間は「絶対にドアを」と指導されます。しかし小さなクリニックでは、引き戸がつけられなかったり、スイングドアだと患者さんに危険な場合もあり、アコーディオンカーテンで妥協してもらうことが多いようです。

 完成した設計図を見せに行ったときに、必要書類を確認します。開業後もどこかでバイトをする場合(これが結構あります)、「(バイト先の)院長の許可をもらって開業します」という文書の提出を求められます。いわゆる「名義貸し」開業を防ぐためのようです。退職する予定の職場から退職の証明書も出すように言われることもあります。

 本当は保健所の担当者に現場をチェックしてもらってから書類審査なのですが、時間がないということもあり、書類を確認した後で現場に来てもらいました。カーテンが一部間に合っていないところは注意されましたが、この現場チェックの段階では、(本当にあきれるほど)ものがないクリニックで大丈夫です。医療機器はまだ何もなく、カルテ棚も、受付カウンターも、待合室のいすも…、なーんにもありませんでしたが、OKでした。

 提出書類に保健所から受理の印鑑をもらうと、今度はそのコピーを社会保険事務所に提出します。保健所の審査で「診療所」の許可はもらっていても、社会保険事務所の認可が下りないと「保険診療」ができません。締め切りを逆算すると、開業の1カ月前には保健所の審査を通過していることが絶対条件。保険事務所は月末あるいは月初にしか審査をしないので、4月開業ならば、2月末か3月初めに書類提出をしないとダメなのです(管轄によって多少異なるようなので、実際の提出の際は各自ご確認を)。

開業後の現在から「この時」を振り返って

内装は業種によって特殊性がありますので、その業種の設計をやったことがある会社を選ぶのが一番です。クリニック内装に特化していなくても何件かは実績があれば信頼できそうです。できればその物件を見に行くことをおすすめします。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。