開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第35回 人を雇うと決めたなら

2018/09/21 目黒 瞳
Facebookでシェア ツイート

 院長1人でスタッフなしということもまれにありますが、大抵のクリニックはスタッフを雇うことになるでしょう。雇用に関する届け出などは、社会保険労務士、会計事務所に任せることが多いと思います。私もお任せしましたが、基本的なことは知っておくべきでしょう。書店に並んでいるマニュアル本でいいのですが、社会保険と会計についてそれぞれ読んでおくと、話がつかみやすくなります。

 以下、最低限押さえておくべきポイントです。

     社会保険=健康保険、年金、介護保険。
     届け出は社会保険事務所。

     労働保険=雇用保険、労災保険。
     雇用保険は「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険資格取得届」を
     公共職業安定所(ハローワーク)に提出。労災保険は「保険関係成立届け出」
     「概算保険料申告書」を労働基準監督署に提出します。

 従業員が少ないクリニックでは医師国保に入ることが多いと思います。この場合には年金は国民年金で個人加入となり、医師国保も定額なので計算が楽です。医師国保は通常、雇用する側とされる側で折半します。また、スタッフが5人以上ですと、厚生年金の対象となります。

 労働保険は任意ではなく強制加入です。人を雇ったら払わなくてはなりません。保険料は給料に応じて決まりますが、労災保険は雇用側が1年に1回まとめて支払います。給与が変動することがあるので、後で調整が入ります。雇用保険は雇用側と従業員が折半し、その割合が決まっています(時に変動します)。これは毎月の給料から計算します。

 所得税も毎月の給料から計算して天引き。税務署に毎月納めますが、届けを出しておけば半年に1回でOKとなります。

 就業規則は、スタッフが少ない場合は作る義務はないのですが、昨今は作っておいたほうが双方もめることがなく、望ましいとされているようです。なので、私も作りました。雇用時の健康診断も、項目が法律で決まっており、これも要確認です。

開業後の現在から「この時」を振り返って

医師国保は医師会に入っていないと加入できません。そして費用の労使折半は義務ではないと私は実はつい最近知りました…!(協会健保では義務です。)
就業規則は作っておいてよかったと思うときが結構あります。ルールがあるからこういうふうにしましょう、とスタッフに説明しやすくなるからです。


各種申請は専門家にご相談下さい
目黒瞳先生も悩む内装業者、医療に強い内装・設備会社はこちら
医療に強い税理士事務所はこちら

連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。