開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第30回 希望の内装は醤油風味

2018/09/07 目黒 瞳
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 空調や床などの内装工事が進んでくると、次は壁紙や家具の具体的な話が出てきます。設計の方がこだわりを見せるところ。…なのですが、使う立場になってみると、見栄えの良さというのはクリニックにはあまり関係ないのでは?と思います。

 患者さんもスタッフも安全で(これは当たり前)、使いやすく、掃除がしやすいということが、こちらのポイントなんですが、設計事務所の方のこだわりとの妥協点がなかなか見いだせません。

 醤油さしって、買いに行くといろいろなデザインのものがあります。しかし、デザインで選ぶと結構、尻もれしてたれてしまったり、中が洗いにくいのです。結局一番使いやすいのは、キッコーマンの醤油さしなんですが、高級料亭でいきなりこれが出てきたらちょっと…とはなりますよね。

 でも、日常生活にはこれが一番。私はバカラの醤油さし(ないと思いますが…)が欲しいわけでも、オーダーメードで作ってほしいわけでもないんです。

 「内装は北欧風にしますか? イギリス風にしますか?」って、Tgさんに聞かれ、
 「醤油風味でお願いしたい…」

 と言ってはみたのですが、とってもきれいなクリニックになってしまい(?)ました。中で打ち合わせしていると、通行人がのぞき込んで内部を指差し会話していくのが、とても気になりました。「何ができるんだろう?」と思っていたんでしょうねえ。

開業後の現在から「この時」を振り返って

工事中に前を通る人たちが「ここ何ができるんですか?」と聞いてきて「眼科です」と答えるととてもがっかりされました。かわいらしい内装なのでカフェとかケーキ屋さんを期待していたみたいです。10年たった現在結論から言うと200%満足の内装です。
そしてバカラの醤油さしってあるようです。本来はオイルやビネガーを入れるみたいですが。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。