開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第26回 天井から水!

2018/09/07 目黒 瞳
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 朝9時すぎに設計事務所のTgさんから携帯に電話。「先生、トラブル発生です!」。

 内装の天井を吊るために、ドリルで穴を開けていたら水が流れ出てきたというのです。もしかしたら、上の部屋の給排水管に穴を開けてしまったのではないかと、現場では内装担当の工事の人と、建物担当の工事の人がもめている。誰が悪いとか、修復費用は誰が出すのかなどで、喧嘩になりそうという一触即発の状況になっているらしいのです。

 天井を吊る場所に配管が来ていることはまずありません。5cm程度しか穴を開けませんし。設計図でも、その場所に配管はないと、建物側の業者も言っています。あり得るとしたら、設計図と違う工事が施工されている(これが結構あるそうなのですが…)ということなんですが、そこを店子側が追求しても、「大家さんと建物の担当設計事務所の関係が壊れる」と、うちの担当が非常に心配しています。

 とにかく、火急の問題としてまずは「誰が悪い」とかではなく、どういうトラブルなのかを見極め、上階への損傷があるなら補修してほしい。費用が発生するなら、その負担の協議は後でいい。そして、事態が収拾できてから、こちらの内装を続行できるか検討してほしい。と、Tgさんに話しました。

 結局、コンクリートも削って確認したところ、配線を入れる際に使われる、空(から)配管と呼ばれる管に水がたまっていて、そこを貫通してしまったらしいということでした。なので、追加工事は必要なかったのですが、コンクリート打ち直しの費用は建物担当の下請けがかぶったらしく、ちょっとかわいそうでした。

 こちらの現場監督は「オレはもう穴開けない」と頑固に言い張っていたようで、天井が一部なくなりそうでした。でも、「天井がないクリニックって、イヤだなあ~」とTgさんに迫ってみたところ、「僕もイヤです」ということで、何とか取りなしてもらい、天井を吊ってもらいました。

開業後の現在から「この時」を振り返って

その後何度も当院は水関係のトラブルが起きるのです。設計が悪いのではなく、建物のほうの問題だったり給湯器の故障だったりなのですが、Tgさんに言わせると建物は同じ系統のトラブルが続くことが多いそう。うちのように水関係だったり、電気だったり、と。とりあえず水難除けのお札もらってきました。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。