開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第23回 内装の“主治医”、ようやく現れる

2018/08/24 目黒 瞳
Facebookでシェア ツイート

 昔から知っている設計事務所のTgさんに内装を頼めると分かったら、ものすごく肩の荷が下りました。信頼できる主治医にようやく出会えた患者さんと同じような気持ちです。そして、彼はその日のうちに早速、現場へ向かってくれたのでした(これが当然でしょうけれど)。

 素人だとデザインに目が行きがちですが、一番お金がかかり、きちんと工事する必要があるのが給排水や空調ということは学習済みです。これは専門家に相談しないと、素人のこちらには判断できません。なので、どんなときにも手を抜かない外科医のように、自分の仕事に誇りを持っている設計業者を探さなくてはならないのです。

 既に空調や床、壁があって、ちょっと手直しすればOKという内装ならともかく、スケルトン渡しで何から何まで作らなくてはならない場合、かなりきちんとした内装業者さんが必要となります。「新築、スケルトン」って魅力的に聞こえるのですが、その分、お金がかかるのです。

 結局は、図面を引いてもらった4社にはお断りしたわけですが、「改装などで、またお世話になることがあるかもしれませんので、その時はよろしくお願いします」というセリフで一応「縁切りではないから」という意味も含めておきました。A社、C社、D社からは「がんばってください」というお返事が来ました。

 もっとも、お願いすることを決めかけていたB社はノーレス。メールにはものすごい早さで返事が返ってきていたのに、お断りのメールには何も反応がなかったのでした。成約の可能性はかなり大だったので、がっかりしたのも分かるのですが、「一言くらい返事しておけばいいのになあ」とは思いましたね。誰かに聞かれても、ここはもう勧めないですよ。

 医療業界に限った話ではないでしょうが、仕事の依頼って結構口コミで来ると思うのです。実際、C社を紹介してくれたドクターも結局そこには頼まなかった方ですが、対応のイメージが残っていたんでしょうね。ちなみに、Tgさんというプロの目で見ると、設計図が一番きちんとしていたのはC社とのことでした。

開業後の現在から「この時」を振り返って

その後Tgさんと話したときに、通常は相見積もりをして仕事するということはしていない、と言われました。今回たまたま他社の見積もりを見て名乗りを上げたそうなのです。数社の予算と比較をしないで内装工事頼むのは依頼するほうからすると不安でしかないのですが、X社のように見積もりもせずに断る、というところもあるし、今回も数社が出してきた見積もりがほぼ同じでしたので、相場というものがあるのかもしれませんね。


目黒瞳先生も悩む内装業者、医療に強い内装・設備会社はこちら
戸建て、土地探しから相談する場合はこちら

連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。