開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第22回 談合?

2018/08/24 目黒 瞳
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 というわけで、X社は最後の切り札に取っておくとして、4社の図を何回か打ち合わせして直しながら、内装の見積もりまで出してもらいました。後から考えるとちょっと信じられないのですが、このうち現場まで見に行ったのは1社だけ。普通、見に行くでしょうー。

 「小さいほど設計が大変なんです」と1社の方に言われましたが、結局はどの社もほとんど同じ図を引いてきましたので、これはちょっと疑わしい。

 D社はいつもは居酒屋やバーなど飲食店鋪の内装を担当している方で、医療関係は初めて。結構ユニークな図を引いてきて面白かったのですが、眼科の機器のことを全く知らないので、診療の流れや動線などを理解してもらうのに時間がかかりそうです。時間はかなり押していたので、最初にお断りを入れました。設計の出来上がりや費用のほかに、設計士さんとのコミュニケーションも大事な過程です。

 さて、残り3社の見積もりはというと、

A社:1000万円
B社:1000万円
C社:1200万円

 はて? 「談合でもあったか」というくらい、値段が似ています。

 C社はすべてにおいて遅く、こっちの意見が通りにくそうな上に、高すぎるので却下。A社は、800万円以下の提示だったら、ここにしたかもしれません。でも、本当に“町の大工さん”というイメージが強くて、この値段では却下としました。

 というわけでB社に決まりかけ、「値切りたいけど、手抜きはされたくないなあ」と悩んでいたところ、たまたまバイト先に現れたのが設計事務所のTgさん。私が並べた見積もりを見て、「この金額なら僕やりますよ」と言い出したのです。

 このTgさん、バイト先の診療所の内装を手掛けた方で、昔からの知り合いです。非常にきちんとした仕事をし、手抜きは絶対にしません。しかし、何しろお値段が高いという評判だったので、頼むのをためらっていたのです。

 そのTgさんからの思わぬ一言。信頼できる主治医にようやく巡り会えた患者さんの気持ちになりました。

開業後の現在から「この時」を振り返って

振り返ってみても、どこに内装を頼むのかは決めにくいことだったと思います。値段だけの問題ではなく、ちゃんとした仕事をしてくれるのかがわからないからです。
それまでの仕事をホームページなどでチェックできるのであれば、どんな内装をしているのか、雰囲気ではなく、飲食だけをやっているのか、医療系の仕事もしたことがあるのかは見たほうが良いでしょう。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。