開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第17回 これだけある、融資の提出書類

2018/08/10 目黒 瞳
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 国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)に提出した書類は、賃貸の重要事項説明書、内装の設計図と見積書、リースの見積書、電子カルテの見積書、通帳。それから、昨年と一昨年の収入を証明するものとして、一昨年の分は確定申告の控え、昨年の分は給与明細(確定申告直前で源泉徴収票もまだ来ていなかったので)です。

 4~5カ所にバイトに行っていたので、50枚ほどもある給与明細をチェックされ、通帳も各明細と照らし合わされて、最後のページのコピーを取られました。さらに、担保に入れる不動産について、登記簿、固定資産税の支払いを示す書類も提出しました。

 お金の管理はすべて自分でしていたことと、たまにバイト代の振り込みを忘れるところがあるので給与明細を全部取っておいたことが幸いしました。

 特に提出は求められなかったのですが、自分の買い物や予算を立てるために作った諸々の費用の一覧も提出しました。一覧に記載したのは、医薬品、高額ではない医療器具(簡単な手術器具など)、カルテ用紙やカルテファイル、医師会の入会金、保険料(店鋪総合保険と借家人保険)などの費用。合計すると結構な高額になります。細かい物品についてはカタログ(メディカルアスクルなどの医療用資材の通販)があるので、費用をチェックしておくとよいでしょう。実際に注文する際にも役立ちます。

 医師会に入れば、医療過誤と施設内での事故の保険(医師賠償責任保険)が付いていますが、そのほかの部分、いわゆる火災保険(店鋪総合保険)と賃貸の場合の借家人賠償責任保険は別に必要です。これらの保険は賃貸契約が発生する月から必要になり、入れる医療機器の金額に応じて保険料が決まります。医療機器の見積もりをもらいながら、保険代理店さんに早めに相談をしておいたほうがよいでしょう。

 私の場合、商店街の人とのつながりもあって地元の保険代理店さんに頼みましたが、医師賠償責任保険の免責金額100万円をカバーする保険にオプションでつけることもできます。

開業後の現在から「この時」を振り返って

医師会に入らず開業する人も増えているようですが、医師賠償責任保険は他でも入れますので大丈夫です。また、アスクル好きの私ですが、メディカルアスクルはお値段高めです。というか、アスクルの値段は誰でも知ることができるので、業者さんが「アスクルより安くします」と言ってきたり、値切りの材料にしたりできます。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。