開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第15回 リース or ローン?

2018/08/10 目黒 瞳
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 収支の予測とともに大事なのが、支出の実際の見積もりです。これがないことには、融資を受けることはできません。内装、リース、電子カルテなどは見積書の提出、家賃は金額がはっきりと書かれている重要事項説明書(契約のときに交わすもの)の提出を求められます。

 つまりは、家賃の保証金を払えるくらいの自己資金は最低ないと、お金が借りられないということです。ほかについては、値切るのはお金を借りてからでも間に合います。見積もりは高くてよいし、実際の契約はしなくてもよいので、とりあえず見積書を作ってもらいます。内装については設計図の提出も求められました。

 見積もりを取ってみて、大きく増えたのが内装です。当初の概算では600万円程度と見込んでましたが、1000万円近くかかることが判明しました。内装については書くことがいろいろとあって、詳しくは別の回に譲ります。

 家賃は一番早く決まっていたので、変わらず。機器は中古で気に入ったメーカーのものがそろうことになって、2500万円の見込みから1100万円程度(を5年または7年のリース)に落ち着きました。電子カルテもメーカーを変えたら、400万円の見込みが150万円くらいになりました。

 まあ、こうしてみるとお金を借りなくても何とかなる額とも思えるのですが、人を雇う立場になる以上、責任が伴います。余裕があるに越したことはないので、やはり融資は申し込むことにしました。

 医療機器をリースにするか、購入するかの判断は考え方によるでしょう。ただ、「資金が足りないから」と気軽にリースするのはどうかと思います。各機器について、リースにする場合、ローンを組んで購入する場合――と、いろいろシミュレーションしてみることをお勧めします。

 実際に現場で医療機器を使っていると、5年も経てば壊れたり新製品が出てきます。リースの場合、その時点で再びリースを組み直せるので、その点は良いだろうという判断を私はしました。診療科によって、機器の値段や切り替え時期が異なると思うので、業者さんや先輩に聞いてみるのがよいかと思います。

開業後の現在から「この時」を振り返って

リースは結構勧められることがあるのですが、あまり経営的にメリットがない、というのが本当のところではないでしょうか?本文中に数年で新製品が出てきたら再リースを、と書いていますが、はっきり言ってうちのような零細クリニックでは数年で買い替える余裕がありません。壊れたらしょうがなく、という眼科も実際多いと思います。
リースはお金に余裕がない場合の方法と考えたほうが良いと私は思うようになりました。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。