開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第14回 最初の半年は出費ばかり

2018/08/10 目黒 瞳
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 というわけ(前回参照)で、銀行からの資金調達は却下。「診療所開業マニュアル」(『日経ヘルスケア』編、2018年7月時点で完売)を読み直し、国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)のホームページをチェックしました。

 いろいろなパターンや条件がありますが、金利2%くらいで借りられそうです。これを前提に、開業後1年をシミュレーションしてみました。開院前からの支出、開院してからの収入を毎月ごとに作ってみたのです。

 通常、医業の収入は保険収入がほぼ100%と言ってよいので、患者数から予測が立ちます。眼科の場合、東京都の眼科医会が定期的に行うアンケートにより、手術をする開業医の診療報酬、しない開業医の診療報酬、患者数などが大体把握できます。

 そこで、あまり流行らなかった場合、患者さんがたくさん来た場合に分けて、収入を予測しました。このデータは公庫から融資を受ける際にも重要で、シミュレーションの基となった眼科医会報のアンケート結果が載ったページも提出させられました。

 家賃などは内装の時期から支払うので、開院前の2カ月以上は収入ゼロで、支出は発生することになります。一方、窓口負担の残り、約7割の収入となる審査支払い機関からの入金は大体3カ月遅れです。となると、家賃が発生した時点から半年ほどは出費ばかりの時期をしのがなければなりません。

 当然、スタッフの給料もあります。その間の運転資金も考えながら、毎月のお金の流れを表にしてみました。これでかなり「開業する」という実感がわきますね。

開業後の現在から「この時」を振り返って

東京都眼科医会の会報はとても役立ちます。保険診療についての質問にもきちんと答えてくれてますし、母数は少ないものの都内の眼科からの診療データが定期的に掲載されます。このデータが融資を受ける際に説得力のあるものとなりました。
ただ私もこのデータを提出するようになり、診療報酬の平均値を下げてしまっているかもしれません…。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。