開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第13回 どうする? 開業資金4000万円

2018/08/10 目黒 瞳
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 今回からは実際の金額がかなり具体的に出てきます。開業を考えている先生たちには非常に興味のあるところだと思うのですが、なんだかあまりに生々しくて…。それが匿名執筆している理由でもあります。

 最初にぼんやりと考えていた開業費用は、
・内装 600万円(20坪として)
・家賃の保証金 500万円
・医療機器 2500万円(すべて新品と考えてなので、これより低くなる可能性はあり)
・電子カルテ 400万円

 という概算で、ざっと4000万円です。機器はリースにして、1000万円を自己資金、融資を1000万~2000万円受けようという青写真でした。

 ここではたと困ったのが、どこでお金を借りようかということです。銀行に正面から突入しても、古き良き時代のように「医療機関なら!」と低金利で貸してくれるということはない、とは聞いていました。

 それでも、「コネがあると結構安くなる」といううわさはいろいろと聞こえてきて、大手銀行の顧問弁護士をやっている身内を通して聞いてみると、示された金利はごくごく普通のレート。「医療機関開業ローン、保証人なし、担保なしの5%」というものでした。

 お金を借りたことがない人には、この金利はピンと来なく、安く見えるかもしれません。しかし、数千万円を数年にわたって借りるとなると、金利の差は結構大きなものです。利息や返済金額は簡単に計算できますし、今はシミュレーションできるサイトも多いので、試しにやってみてもらえば、金利を低く抑えることがいかに大事か、よく分かると思います。そう理解した上で消費者金融の広告を見れば、その金利の高さに驚くことでしょう。

開業後の現在から「この時」を振り返って

今振り返ってみると、そしてこれから開業する人たちへのアドバイスとして考えると、スケルトン物件ですべてゼロから作るのは楽しいのですが、閉院後などの居ぬき物件も候補に入れたほうが良いと思います。私の場合は開業したいエリアが決まっていたのでスケルトンでも居ぬきでも物件がなかったのですが、もし場所を限定しないのであれば居ぬきのほうが当然経費節約になります。
ただ近くの飲食店を見ていると、居ぬき物件で店が入れ替わったあとに厨房機器の不具合が出たり(修理は新しく入った人が行うことになります。)、どうしてもお客さんが入らない「呪われた場所」もあるようで、必ずしもうまくいかないようです。


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連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。