開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第8回 家賃の相場が想定外に上昇

2018/07/05 目黒 瞳
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 開業予定地が結構家賃の高いところだとは知っていました。「万札を敷き詰めるような開業」と業者さんに冗談飛ばされたくらいです(大げさですよね)。

 探し始めた1年前、この地域の賃貸料は坪2万円に近づきつつあったので、予算は2万円×20坪=40万円/月と見込んでいました。ところが、やっと物件が決まり不動産屋さんに話を聞いたところ、坪2万5000円で計算してあります。

 いつの間にこんなに高騰していたんだろうとびっくり。ぼられているんじゃないんだろうかと、知り合いの不動産業の人に聞いたり、ほかの物件の家賃を調べたりしましたが、どうも相場のようです。結構ショック。

 開業を考えるまでは知らなかったのですが、店鋪として借りる場合には、ほぼ1年分の家賃を保証金として契約時に支払います。これが大きな出費の1つです。さらに、礼金は2カ月分。

 礼金は地域によって違うようですが、店鋪賃貸の場合はないところもあります。「ちょっと多いんじゃないの~??」と思いましたが、弱気?な私が値切れたのは1カ月分まで。

 地方ですと、家賃は坪1万円を切るところも多いので、場所にこだわりがない開業であれば、いろいろな地域を比較検討する必要があると思います。予算なども全く異なってきますから。私は実家の近くが条件だったので、ここまで高額の家賃もしょうがないとあきらめましたが。

 さらに悲しいのは、すべてに消費税がかかること…。大家さんは家賃収入だけで軽く1000万円を超える収入があるので、会社にしている方なのです。それにしても、私が借りるところの上階は賃貸ですが、ワンルームに近い間取りなのに月15万円。いったい、どんな人が入るんだろう?

開業後の現在から「この時」を振り返って

上階の賃貸ですが、借り手がつかない期間が長くあり、不動産屋に言われて大家さんは家賃を下げたそうです。うちも下げてくれないかなあ〜。家賃が一番大きな出費ですので、経営のことを考えれば安いところで開業するほうが良いに決まってます。もちろんお金に余裕があればビル一棟買っても…。昔は不動産にまったく興味がありませんでしたが、冗談半分でも「買っちゃおうかな」と言うようになったのが、この10年の自分の変化かもしれませんね。
そして上階のお部屋に知り合いの同僚が住んでいることがたまたまわかり、世間は狭いなあ、と思いました。


連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。