開業奮戦記(目黒 瞳)

「開業のきっかけは?」「開業地域や物件を選ぶポイントは?」「開業資金は?」
「患者は来てくれる?」。理想に向かって診療所開業に踏み切った医師たちが、
日々悩み、悪戦苦闘する様子をリアルにお伝えします。

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

第1回 開業場所が見つからない!

2018/05/24 目黒 瞳
Facebookでシェア ツイート

 勤務先の方針がいまひとつ自分の考えと合わないと感じるようになるとともに、わき上がってきたのが「自分1人でやってみたい」という独立願望。

 「開業したい」と前職場で言ったところ、「じゃ、今年いっぱいで辞めてね」と返ってきたのは一昨年のこと。辞めるまで半年以上もあるから物件が見つかるだろうと高を括っていたら、これが見つからない!そのためにバイトで生活することになってしまいました…。まあ、それはそれでよかったのですが。

 一番の希望が「生まれ育った実家の近くで開業したい」ということなのですが、実はここがなかなか物件の出ない場所。前職場を辞めてから分かりました…。

 集患状況は、懇意にしていた参天製薬に頼んで調べてもらい、まあまあのエリアであることは確認していましたが、場所がないことにはどうしようもない。ちなみに、眼科の開業に際しては、参天製薬、千寿製薬が集患状況に関するデータを持っていて、相談に乗ってくれます。双方両社のサポートの形態はちょっと異なりますが、どちらも無料。私は集患のデータだけ、参天製薬からもらいました。

 場所が見つからず苦労していると、全然知らない業者さんからの激しいアプローチが始まり、突然の人気者に。

 「そんな物価の高い、うるさい患者さんが多いエリアではなくて、郊外の方がもうかりますよ」
 (もうかる眼科をやりたいわけじゃないんです)

 「辞める院長がいる眼科医院を居抜きでやりませんか?」
 (いえ、自力で、それも実家の近くで始めたいんです)

 「場所が見つからないなら、コンサルタントを紹介しますよ」
 (私に見つからなくて、どうして他の人に見つかるのかしら?)

 考え方はいろいろあると思いますが、私はいわゆる「コンサルタント 」にはお世話になりませんでした。こっちは自分の希望に合う物件を探しているのに、向こうは物件に合う医師を探しているというすれ違いが感じられたのと、信用できないと思ったからです。

 もちろん頼りになる方もいるのでしょうが、開業する際は院長本人の強い意志と熱意があれば、1人でも何とかなるものだと信じて、準備を進める日々です。

開業後の現在から「この時」を振り返って

 お久しぶりです。10年歳を取った目黒瞳です。10年前の自分の連載を読み直して「これ面白いなあ」と感心していますが、結構忘れていることもありますね。今回の話に出てくる「知らない業者さん」がどういう人だったのか全然思い出せません。確かにこういうこと言われたという覚えはあるのですが…。医療機器メーカー営業の知り合いだったかしら?


連載の紹介

※本連載は、過去(2008年1月~2009年9月)に「日経メディカル Online」内で掲載したものを、開業後10年を経た著者が一部加筆・修正、当時を思い出しながらの現在の感想を追記したものです。
一部、現在の状況と異なる点が含まれる場合もございますが、掲載当時の読み物としてご一読ください。

著者プロフィール

目黒 瞳(めぐろ ひとみ)氏

●生まれ育った地元で、2008年、眼科を開業。
 なかなか増えない患者数に不安になりつつ、後進のためになる話を記録に残そうと本連載を執筆。