建築、内装設計・施工の勘どころ

戸建てにしてもテナント(いわゆるビル診)にしろ、クリニックの「ハコ」にかかる費用は開業時の初期投資額の多くを占めますが、消防法や保健所の対応など専門的な知識が必要な部分も多く、どうしても業者任せになってしまいます。この連載では、クリニック開業時に避けては通れない建築や内装設計・施工に関する、先生も最低限知っておくべき基礎知識から、建築・内装のコスト削減のポイント、科目別のレイアウトの注意点などを、長年医療建築に携わって来た専門家の視点からのアドバイスを交え、解説していきます。

記事一覧

第5回 特に注意が必要な、商業施設内テナントの特徴と工事区分について

高橋 邦光

 開業物件を選ぶにあたり、様々な選定基準があると思いますが、「認知されやすい」「施設自体に集客力がある」などは人気物件の特徴のひとつです。郊外型の大規模ショッピングモール内の医療ゾーンなどは、そういった特徴を持つ物件の代表例と言えるでしょう。
 このような物件には広大な駐車場が併設されていることも多く、近隣住民のみならず生活圏を超えての集客も見込めます。ただ、大規模ショッピングモール等の商業施設内のテナントを賃貸契約する際には、事前に「工事区分」と言われるものに注意しておく必要があります。

第4回 意識しないが無いと困る、排水設備について

高橋 邦光

 テナント開業において、立地の選定や契約条件など様々な状況を加味して決定していくことは重要ですが、排水設備の検討も忘れてはいけない要素のひとつです。極端な言い方をすると、空調や換気、電気設備は快適な環境や導入したい医療機器を諦めれば開業は可能ですが、手洗いや流し台は保険診療を行う上での必須条件であり、排水設備は開業と切り離せないものなのです。

第3回 意識しないが無いと困る、まさに空気のような存在 ~空調・換気設備について~

高橋 邦光

 テナントを選定する際に立地や坪数、電気容量までは検討されると思いますが、空調や換気のことまで検討して物件を選定する人はあまりいないと思います。なぜなら、どのような施設でも空調や換気設備が必要になるため、既に付いていることも多く、まさに空気と同じように意識していないことがほとんどだからです。しかし、コスト面や快適な環境の施設、特に医療施設を創っていく上で空調・換気設備は非常に重要な要素のひとつであり、今回はその解説を行っていきます。

第2回 テナント選定について② ~見落としがちな電気設備について~

高橋 邦光

 気に入ったテナントが見つかったとしても、すぐに契約準備に入ると危険な場合が他にもあります。建物の電気設備の状況によっては、そもそもクリニック用途として使えない場合や、かなりの追加費用が発生する場合があるからです。今回は、そんな見落としがちな「電気設備」について解説していきます。

第1回 テナント選定について① ~スケルトンと事務所仕様、物件選定の注意点~

高橋 邦光

 クリニックの新規開業にあたって、大きな悩みのひとつが「開業場所の選定」です。開業したいエリアに物件がない、希望の面積に足りないなど、様々な理由で妥協を余儀なくされたり、逆に何となく探してみたら希望条件にかなり合致した物件が見つかることもあります。ただ、土地でもテナントでも、せっかく見つけた開業物件が「意図しないところで大きなコストアップにつながる」ことがあり、注意が必要です。
 では、何に注意しながら物件を選べば良いのでしょうか?今回はテナントの種類もふまえて、そのあたりを解説してきます。